令和4年度活動の歩み

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令和4年度富山ユネスコ協会総会

4月23日(土)13時30分より、富山市桜橋通りの富山電気ビル5階中ホールにて、令和4年度の総会を開催いたしました。
会員約45人が出席し、最初に「手に手をとって(ユネスコの歌)」を聞き、心の中で唱和しました。
髙木要志男会長を議長に選出した後、2021年度の事業報告、創立70周年記念式典を8月1日に開催する事などの2022年度事業計画、収支予算、役員改選を審議し、原案通り承認しました。

引き続き、朗読家の鈴木優子さん(富山市)による朗読会が行われました。
新型コロナウィルス感染予防に努めての開催となりましたが、大変多くの会員に参加していただきました。


2022年度第1回会員交流会

日 時  6月11日(土)14:00~16:30
場 所 富山県教育記念館 大会議室
参加者 17名

内容 富山ユネスコ創立70周年記念大会について

1. 70周年記念誌「富山ユネスコ70年への歩み」を基に、本会の近年10年の取り組みについて水上副会長が説明を行いました。
主な内容は以下の通りです。
「富山ユネスコ協会の創立からの経緯」
「平和の鐘を鳴らそう運動」
「世界遺産相倉合掌造り集落の茅場の下草刈り」
「ユネスコ科学フェスティバル」
「学生ユネスコ弁論大会」
「絵で伝えよう!わたしの町のたからもの絵画展」
「書きそんじハガキ回収キャンペーン」
「カンボジアスタディーツアーと天空の杜プロジェクト」
「ユネスコスクール」

2.富山ユネスコ70年の歩み 活動報告からのまとめとして、次の3点が明らかになりました。
「70年間の歩みに感謝する」
「ユネスコ活動への共感を広げる」
「活動を通じて共に生きることを学ぶ」 

3.参加者からは次のような意見が出ました。
「書きそんじハガキ回収は、富山市内の学校の教育計画にも掲載されているところも多くあります。もっと、情報を学校に届けるようにすればよいと思います。」
「学校教育の対象が学校だけでなく広がってきています。ユネスコ活動をその中に入れるように啓蒙していきたいと思います。」

 

終了後、70周年記念事業の準備の進捗状況について、担当者から報告がありました。

 



つなげよう平和の心「2022ユネスコ平和の鐘を鳴らそう運動」開催

日 時 7月26日(火)
場 所 富山市楡原・上行寺
参加者 85名

令和4年7月26日(火)、前日の夜の雨もあがり、爽やかな緑に囲まれた上行寺本堂に小・中学生・学校関係者・地域の人たち85人が集まりました。富山ユネスコ協会とユネスコスクール加盟校である神通碧小学校・楡原中学校の実行委員会による「平和の鐘を鳴らそうin上行寺」を、今年も開催することができました。

オープニングは、上行寺の金子弘子氏によるウクライナの民話「てぶくろ」と、ロシアの民話「おおきなかぶ」の絵本の読み聞かせを行いました。民話の意味する「人としての生き方」に触れ、ウクライナの子どもたちに思いを寄せながら一刻も早い終戦を願いました。
開会式では、上行寺住職の金子光昭氏から、平成28年から始めた「平和の鐘を鳴らそうin上行寺」を振り返り、持続していくことの大切さ、小さな積み重ねが平和へとつながっていくことを話していただきました。

その後、富山の合唱団TMSが『「手をつなごう」~平和な世界のために~』をテーマに、「つばさをください」「幸せなら手をたたこう」「手をつなごう」「上を向いて歩こう」など7曲を披露してくださいました。途中、子どもたちや地域の人たちも演奏に加わり、和やかで楽しい時間の中で、「平和の心」を感じとることができました。
楡原中学校生徒会から、世界寺子屋運動の一環として1月から2月に行った「書きそんじハガキ回収」のお礼と、今年度の「書きそんじハガキ回収キャンペーン」への協力依頼もありました。

参加者全員が「ユネスコ憲章前文」「わたしの平和宣言」を唱和した後、境内に出て1人ずつ鐘を突きました。

 

平和の鐘を鳴らす
平和の鐘を鳴らす


富山ユネスコ創立70周年記念大会

日 時  8月1日(月)9:30~12:00
場 所 富山電気ビル5階大ホール
参加者 50名

大会概要

1.記念式典

髙木会長の挨拶に続き、富山県知事(富山県教育委員会、生涯学習・文化財室室長 吉田学氏代理)、富山市長(富山市教育委員会事務局次長 竹脇孝志氏代理)さまより来賓挨拶を頂くと共に、日本ユネスコ協会連盟、氷見ユネスコ、南砺ユネスコさまより一言のご挨拶を頂きました。
次に、永きにわたりユネスコ活動にご尽力頂いた、元会長の松波孝之氏、前会長の高桑幸一氏、前事務局長の定村仁志氏に感謝状を贈呈しました。

 


 

2.富山ユネスコ活動報告

水上庄子副会長より、この10年間の富山ユネスコの活動内容を紹介しました。
これまでの活動への関係者の協力と、活動を通じて共に生きることを学ぶ事が出来た事に感謝し、今後ともユネスコ活動への共感を広げてゆく事が報告されました。

 


 

3.平和の鐘を鳴らそう運動

富山市立中央小学校6年生75名の皆さんが、総合的な学習の時間に、「半径5メートルから世界へ~1人の行動が世界を変える」というテーマで学びを進めてきた内容をビデオにて発表しました。
「マザーテレサのことばをきっかけにして、自分たちの学校での生活をもとに、世界の子どもたちの状況を調べました。身近な人への優しさを広げながら、少しでも、世界の子どもたちの力になれるよう行動していきたい。」という内容でした。
続いて、平和への祈りを込めて、ユネスコの精神である「ユネスコ憲章前文」並びに「私の平和宣言」を唱和した後、参加者全員で平和の鐘を突きました。

 


 

4.記念講演「ユネスコ活動の展望」 

(公社)日本ユネスコ協会連盟理事長 鈴木佑司氏より、「ユネスコ活動の展望」と題して講演をして頂きました。 
最初に、世界の現状と問題の所在を歴史的視座から説明されました。 
次に、気候変動、広がる経済・社会・教育の格差、パンデミック、ウクライナ戦争など、今問われる危機の構造から始まり、「誰が、何を、どうすればよいのかを」という視点で選択肢を説明されました。 
ユネスコと民間ユネスコの役割や日本社会の現状と問題点から、「今、我々に何ができるのか」という視点で総括されました。 我々も、複眼的に現状分析をし、希望をもって、ユネスコ活動に取り組まなければならないと思う、示唆に富む講演でした。 

 

鈴木佑司氏による記念講演
鈴木佑司氏による記念講演

2022年度 第1回ユネスコ教室

日 時  8月2日(火)・8月24日(水)
場 所 富山市科学博物館
参加者 2回で計43名

内容 「星座について学ぼう」

定員20名で募集したところ、希望者が多く、2回に分けて実施しました。
2回で43名の児童(小学校4年生、5年生、6年生)が参加しました。
子どもたちは、富山市科学博物館の学芸員から、星座早見盤について説明を受けたあと、星座の線をつなぎながら早見星座盤を作成しました。作成した星座盤を使って、日付、時刻、方角の合わせ方などを練習し、プラネタリムでカシオペア座など星座を探しました。

 

①星座早見盤について
①星座早見盤について
③自分たちで作成し
③自分たちで作成し
②学芸員から説明を聞いて
②学芸員から説明を聞いて
④プラネタリウムで星座を探しました
④プラネタリウムで星座を探しました

 

子どもたちからは、
「星を探すときにウキウキしました。山羊座を見つけることができなくてくやしかった。家で練習してもっと星座を学びたい。」
などの感想がありました。
コロナ禍が収まらない中での「ユネスコ教室」でしたが、熱心に取り組む姿から、子どもたちの「星座について学ぼう」とする意欲、関心の高さに驚かされました。
富山市科学博物館では、天文の学芸員や職員により、会場・教材の準備、わかりやすい指導など、大変お世話になりました。ありがとうございました。


ユネスコ科学フェスティバルinワンダー・ラボ2022

日 時 9月23日(金祝)~24(土)10:30~15:00
場 所  北陸電力エネルギー科学館「ワンダー・ラボ」(富山市牛島町)

2022年度の「ユネスコ科学フェスティバル」は昨年同様新型コロナウイルス感染防止のため、人数制限をしながら北陸電力エネルギー科学館ワンダー・ラボを会場に、「子どもたちの未来のために、今できること」をテーマに9月23日、24日の2日間開催しました。
ユネスコが提唱する「教育、科学、文化」推進のため2005年から毎年イベントを開催し今回で17回目となりました。(2020年度は新型コロナウイルス蔓延のため中止)

今回は昨年同様、富山ユネスコ協会の活動を紹介したパネル展示と、科学工作3種類を提供しました。
小さな子どもから大人まで楽しめる「ヒュンヒュンごま」や紙コップで作った竹とんぼ「紙コプター」を作りました。高学年の児童も興味を持ってもらえるLEDや光ファイバを使った「LEDイルミネーション」を提供しました。
今回の工作は全てユネスコ館員が講師役で指導しました。元教員や電力グループの技術屋などが頑張りました。
参加した子どもたちや大人の方は科学の楽しさを存分に体験できました。

2日間の来場者は456名で、工作参加者は約100名でした。

 



第70回学生ユネスコ弁論大会

実施日 10月1日(土)
審査会場  富山電気ビル5階 中ホール

高校生の部は1校から3名、中学生の部は7校から9名の参加がありました。
中・高校生はユネスコの精神や理念を踏まえ、国際理解や貧困問題、環境保全、地域文化の継承、ボランティア活動、持続可能な開発目標(SDGs)等様々なテーマについて、自分自身の体験や授業を通して考えたことや学んだこと、これから自分たちは何をすべきかなど、明快に、豊かな表現力で堂々と主張しました。

高校生の部1位の奥中さんは、インドの現状から考えたことを主張しました。
インドの道端で「お金をください」と呼びかけてくる子どもたちに父が10ルピーずつ与えたこと、安全な飲み水が整備されていないこと、識字率が低いこと、学校に行くことのできない子どもが多くいることなどを挙げ、将来、日本の水のインフラ技術を取り入れる、寺子屋運動を推進するなど、自分が日本とインドの架け橋になろうと、将来への決意を熱く語りました。

中学生の部1位の山下さんは、「SDGs海の豊かさ」の学習を進める中で、環境問題を身近に捉え、行動したいと考える人が多くいることに着目しました。しかし、実際に海岸清掃に参加してみると、豊かな海の環境を保全していない現実に直面し、他人事ではなく、人間の責務として行動したいという思いを強くもちました。
来週から始まる海上保安部での「職場体験」を通して、職員の方々と共に過ごし、「海と共に生きる」ために自分に何ができるのか、その問いに答えるべく学び続けたいと力強く語りました。

発表者の力強い主張や情熱が十分伝わり、聞いている方々にさわやかな感動を残す素晴らしい大会となりました。

審査の結果はこちらから確認できます。

 



2022年度 中部西ブロック・ユネスコ活動研究会in豊橋(報告)

日 時 10月22日(土)
会 場 穂の国とよはし芸術劇場プラット(豊橋市)
テーマ 「SDGsと地域ユネスコ活動の役割」
富山ユネスコ協会からの参加者 髙木会長、水上副会長、浅野

 

1.オープニング

豊橋中央高校(ユネスコスクール)ブラスバンド部の軽快な演奏で幕をあけました。

 

2.基調講演「SDGsと地域ユネスコ活動の役割」

講 師/日ユ協連 鈴木 佑司 理事長

世界で共通に取り組んでいるSDGs活動について、その捉え方から始まりユネスコとの関係、我々に関係が深い目標4の「質の高い教育」に関して、民間ユネスコだからこそ可能な、そして担うべき平和と教育についての取り組みの重要性について強調され、今後のユネスコ活動の方向について再確認しました。
以下に講演内容を紹介します。

 

SDGs理解の方法1:5つのP
地球を守る(Planet)、人を守る(People)、豊かさを実現する(Prosperity)、平和を守る(Peace)、それらをパートナーシップで実現する(Partnership)。
ユネスコに関連する平和とパートナーシップは、非常にユニークな目標であるが、互いに違いを認め合って連帯する事が大事である。


SDGs理解の方法2:ウエディングケーキモデル
17の目標を経済、社会、自然資本の3層に分類し、まず「環境」が土台にあって、その上に「社会」や「経済」が成り立っている事を示すモデル


2つのユネスコの存在意義
非力な国際機関機関としてのユネスコ(できるのは勧告、守る守らないは国家の選択)
2つのユネスコの間にある強力な国家(グローバル化で1国家で対処できな課題が)
非力なNGOとしての民間ユネスコ(しかし、国連の理念は地べたでしか実現しない)


SDGsの目標4:教育
目標4.7である「ESDと文化の多様性、文化の持続的発展に資する教育」は、家庭、学校、NGO、地域での連携が肝要
教育(Education)から教育(Empowerment)へ:限りない可能性がある。
多様性(老若男女)を包含する民間ユネスコ活動は、ネットワークとして重要


ウクライナ緊急支援の報告と教訓
緊急性から人道支援を実施したが、教育支援なら持続性が課題

 

 

3.日本ユネスコ国内委員会報告

髙木要志男国内委員から、国内委員会の組織やその活動と取組み、ユネスコスクールの新たな展開などの説明がありました。

4.事例報告、交流研修

中部西ブロック6県から特色ある地域ユネスコ活動の事例報告が行われました。
(富山ユネスコ協会、石川県ユネスコ協会、ふくいユネスコ協会、大垣ユネスコ協会、名張ユネスコ協会、名古屋ユネスコ協会)

それぞれの協会の歴史や地域性、活動内容、活動スタイルは異なりながらユネスコの精神の具体化を図る多様な実践活動をお互いに知り、学び合う絶好の機会でした。

富山ユネスコ協会からは、①平和の鐘を鳴らそう運動、②ユネスコ教室、③ユネスコ科学フェスティバルについて、水上副会長が報告しました。

 

5.フリーセッション交流会

軽食をとりながら、ユネスコ仲間として和やかに友好、交流の良い時間を過ごしました。
来年度の開催地、三重県での再会を誓いあって散会となりました。


2022年度 富山県ユネスコ連絡協議会 活動研修会in南砺(報告)

日 時  11月13日(日)
会 場 福光福祉会館
参加者 約100名

11月13(日)に福光福祉会館で富山県ユネスコ連絡協議会活動研修会が、南砺、氷見、富山ユネスコの関係者約100名が参加して開催されました。
開会式では、南砺ユネスコ協会の活動報告や、学生ユネスコ弁論大会での受賞者の発表がありました。

南砺市観光協会専務理事の此尾治和氏による「日本遺産認定までの道のり」と題して講演がありました。
井波彫刻の日本遺産認定は、申請から3度目のチャレンジでようやく承認にこぎつけました。その間、何度も文化庁から指導して貰ったが、日本遺産認定に求められたものは以下の点である。


・興味深さ……人々が関心を持ったり、惹きつけられたりする内容か
・斬新さ………あまり知られていなかった点や隠れた魅力を打ち出しているか
・訴求力………専門的な知識がなくても理解しやすい内容となっているか
・希少性………他の地域ではあまり見られない稀有な点があるか
・地域性………地域特有の文化が現れているか

 

認定されたストーリが、日本遺産「宮大工の鑿一丁から生まれた木彫刻美術館・井波」である。

 


 

認定までの取組みと認定以降の取組みを、申請推進者から直接お聞きし、大切な文化遺産を継承するための地元のエネルギーを改めて認識しました。また、構成文化遺産の中に、「どじょうの蒲焼」「いとこ煮」など、地域固有の食べ物があったのが印象的でした。

その後、五箇山深山会の五箇山民謡の実演として、平家落人伝説を伝える麦屋節や、最古の民謡こきりこ節などを鑑賞しました。


2022年度第2回会員交流会

日 時 12月3日(土)14:00~16:30
会 場  CiC 学習室

講演

演 題「PECとやまの活動について」
講 師 一般社団環境市民プラットフォームとやま 理事・事務局長 堺 勇人氏

講演内容

1.「PECとやま」の正式名称は、一般社団法人 環境市民プラットフォームとやま。


2.堺勇人氏自己紹介 環境問題と教育に関心を持ち、環境コンサルタント業と教育業(フリースクールおよび中高理科教員)に20年携わる。千葉県にて自給自足生活を実践中に福島原発事故に遭遇し、富山県に移住して持続可能な地域づくりのコーディネートを担う。富山県立大学地域協働コーディネーターも行い、PEC富山が出来てから現職に。


3. PEC富山の発足 以前より「アースデイとやま」が行われていたが、活動はその日だけで終わってしまう。そこで、2018年6月に、富山県内の企業、大学、市民団体等の有志13名で結成した。


4. SDGsを標榜し、持続可能な社会へのアクションを日常化・一般化に結びつける事を目指して活動をしている。


5.「自分には関係ない」「誰かの責任」「誰かが取り組むもの」というような「誰かの課題」で終わってる、マイノリティ、弱者、環境、未来等の社会的な課題が沢山ある。


6.これを、①SDGsで多様なステークホルダーを引き付け、②具体的な課題・取組と統合し、③課題に取り組む実施体制を作る事を目指している。


7. 2000年には、「〇〇でも生きやすい❤これからの富山のカタチ」をタイトルに、〇〇のテーマとして、①不登校/引きこもり、②生き物、③一人親家庭、④障害者、⑤外国人、⑥性的マイノリティをテーマとしてSDGsトークカフェーを実施。 課題に取り組むために、最近では「富山市SDGsアクションミーティング」を実施。

 

講演後、「中部西ブロック活動研究会報告」において参加報告並びに、そこで発表した富山ユネスコの活動報告がありました。
「書きそんじハガキ回収キャンペーン」について今年度の進め方の説明があり、世界寺子屋運動に協力してゆくことを確認しました。